退団のお知らせ(山中祐里、奥積竜太、本多史佳、松下ゆき)
主宰の幸田です。
寂しいですが、表題の4名が退団することとなりました。
昔、鴻上尚史さんが何かに「劇団や俳優を辞める時はたいてい就職、結婚、出産のどれか」のようなことを書いていた記憶があります。
そういった人生の転機というものがそれぞれに訪れたのだということです。
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祐里ちゃんと出会ったのは2017年のことです。
僕が講師を務める九州ビジュアルアーツ(現・福岡ビジュアルアーツアカデミー)の声優学科2年Aクラスの学生でした。華があって演技も上手で「こういう子が東京で活躍するんだろうな」とぼんやり考えながら演出していたことを覚えています。
その後、一旦上京しましたが、東京の水が合わずに帰福。そしてうちに入ってきてくれました。
「え、ホントにうちみたいなとこでいいの?」と確認した記憶があります(笑)
彼女が入ってすぐにコロナ禍になり、たくさんのメンバーが劇団を離れていきました。その中でもずっと残ってくれて、HallBrothersの中心メンバーとして活躍してくれました。「あの作品とあの作品とあの作品は彼女がいなければ生まれなかっただろうな」と思えるほどの存在感でした(何の作品かはヒミツです。そのうちYouTubeででもお話しします)
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奥積くんとの出会いは2021年の1月。2月の"題名のない演劇祭"に向けての稽古中でした。
「劇団入りたいです」とメールが来て「じゃあ、稽古見に来ますか?」と返したらすぐに来ました。そして稽古も少し見て帰るのかな?と思っていたら確か最後までいたような気がします。しかもものすごく真剣に見ていました。真面目ですね。この後の本人からの退団コメントはふざけてますが(笑)、めちゃくちゃ真面目で熱い男です。「これは信頼できる人が来てくれたな」と当時も思いました。
それから約4年一緒に芝居を作ってきましたが、最初の直感は当たっていました。
真面目なだけではなく、愉快な一面もあって劇団員みんなから愛されてもいました。男気もあって本当にいいやつです。
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史佳ちゃんとは2022年に出会いました。詳しくは下の本人からの退団コメントにありますが、うちの芝居を観てくれて「入りたい」と言ってくれたんですね。これほど嬉しいことはないです。
そして入ってすぐに『だめな大人』に出演。自分で言うのもなんですが、ちょっとヘンな芝居なので(笑)、初心者がやるものじゃないよなあ、と思います。
案の定、史佳ちゃんは苦労していましたが、それでもひたむきに頑張ってくれて「なんていい子なんだ」と感心していました。
今年は就活が忙しく役者として舞台に立つことはできませんでしたが、それでも毎公演スタッフとして手伝いに来てくれて、やっぱり「なんていい子なんだ」と感心していました。もうどこに出しても自慢できるいい子です、と親みたいな気持ちになっています(笑)
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ゆきちゃんとの出会いは2022年の12月。『だめな大人』の稽古中でした。「この子、ホントに演劇が好きなんだなあ」と感心するくらい熱心に稽古を見ていたのを覚えています。
そして2023年、うちでのデビュー作『捨てられない女たち』
一気に劇団員が増えた公演で、当然初舞台の子もいました。高校での演劇経験もあって器用なゆきちゃんからしたら、初舞台の子を迷惑に感じるんじゃないかと心配しましたが、全くそんなことはなく。どんな人の演技も楽しそうに見ていて「心底演劇が好きなんだなあ」と嬉しくなったものです。今年は就活が忙しく舞台に立てなかったのが残念でした。あんなに演劇好きっ子なのに。
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今年もまた、大切なメンバーが退団していきます。
寂しい。本当に寂しいですが「ずっと変わらないこと」はありえないのです。
全ては変化していくし、変化がなかったらそれはそれで停滞ということなのかもしれません。
また新しいメンバーも入ってきますし(こちらも近いうちにお知らせします)、出会いがあれば別れもあるのが人生。
大体5~6年周期で劇団は変化していくので、コロナ禍からの5~6年が終わり、また次のサイクルに入ったということかな、と思います。
HallBrothersはどんどん変わり続けていきますが、でも、福岡という場所で芝居を作り続けていくことだけは変わらずにいたい。
祐里ちゃんも奥積くんも史佳ちゃんもゆきちゃんも、また何かの折には顔出してね。
4人、それぞれの道を歩んでいきますが、今後の活躍を祈っています。
■山中祐里コメント
2025年『わたし、病気なんです』
2019年の入団以来、人としても役者としても、本当にたくさんの学びと成長をいただきました。
関わってくださった皆様には、心より感謝申し上げます。
皆さんと向き合いながらお芝居を重ねてきた時間は、私にとって本当にかけがえのないものでした。
たくさんの方に支えていただきながら活動を続けることができ、そして何より、皆さんと舞台を創る時間がとても楽しく、幸せでした。
これまで本当にありがとうございました。
就職により生活環境が変わることを機に、自分らしく演劇と向き合うための新しいスタートとして、退団することを決めました。
劇団は離れますが、これからも自分のペースでお芝居を続けていきたいと考えております。
また皆さんとご一緒できる日を楽しみにしながら、これからも精進してまいります。
劇団のこれからのご活躍を、心より応援しております。
山中祐里
2024年『となりの田中さん 2024ver.』
2023年『捨てられない女たち』
2019年『女の幸せ』
■奥積竜太コメント
2025年『となりの田中さん』
大学で演劇サークルに入っており、社会人になって、また芝居をやってみたいと思い、入団させていただきました。
はじめて稽古を見学しに行った日のことを昨日のことのように覚えています。
イケメンが来るかもと期待に胸を膨らませていた女性陣が私の姿を見た瞬間この世の終わりのような顔をしていたことを今でも忘れません。
幸田さんをはじめ、劇団の皆さんと充実した日々を過ごすことが出来ました。
まだここで色々なことを経験したいと思いますが、一区切りつけようと思います。
こんな不器用なおじさんと仲良くしてくれた皆さんには感謝してもしきれません。
劇団を離れるのは名残惜しいですが、新しい道に進もうと思います。
本当にお世話になりました。
奥積竜太
2024年『twilight』
2022年『300坪』
2021年『まっすぐ目を見て話してください』
■本多史佳コメント
2024年『中央区大名』
HallBrothersの演劇と出会ったのは、福岡に来て1年目の夏でした。 偶然チケットを手にした「300坪」を観て、客席で感動し、1人で泣いていたのを今でも覚えています。そのとき、私もHallBrothersの団員としてお芝居がしたいと、思い切って幸田さんにメールを送ったのが始まりでした。
役者としての2年間で、6本の作品に出演させていただきました。舞台経験のなかった私を、周りの団員の皆さんが温かく支えてくださいました。その中で、「演技とは何だろう」と悩み考え続けた2年間だったと思います。
そして今年1年間は、裏方として舞台に関わらせていた抱く中で「舞台とは何だろう」と、より広い視野で考えるようになりました。 狭い視野だけでは、良いものはつくれない。そう実感した今、HallBrothersを離れることになったのは、どこか心残りがあります。
自分なりにたくさん考え、過ごした3年間。ここでの経験は、私にとって全てが宝物です。この宝物を抱えて、次の場所でも頑張っていきます!!
最後になりましたが、これまで支えてくださった劇団員の皆さん、そしてご観劇くださった皆さまに、心より感謝申し上げます。
本多史佳
2024年『家中の栗』
2023年『捨てられない女たち』
2022年『だめな大人』
■松下ゆきコメント
2024年『中央区大名』
皆さんこんにちは、松下ゆきです。
『捨てられない女たち』をはじめに、5つの作品に参加させていただきました。
どれもこれも思い出深く、ほかの劇団員たちと作り上げた最高なものばかりです。
劇団HallBrothersに初めて稽古に行った時は、吐くほど緊張していたことを覚えています。根が内気なもので、社会人達の劇団というのもどんな感じなのか想像がしづらく、上手くやれるのか気が気ではありませんでした。でも、蓋を開けてみれば皆さんとても優しく、個性的でアットホームで、何より全員演劇が好きなんだという気持ちがひしひしと伝わってくる方々でとても安心しました。
大勢で共通して好きなことに一丸となって取り組む。それはやっぱりとても楽しくて、本当に暖かいものでした。
この度退団させていただくことになりましたが、HallBrothersで得た経験は私の宝物です。大好きな演劇をこの場所で続けることができて幸せでした。
主宰の幸田さんをはじめとする劇団員の皆様、そしてご観劇いただいた皆様、これまで本当にお世話になりました。
松下ゆき
2024年『家中の栗』
2024年『twilight』
2023年『捨てられない女たち』
四人の出演作はツイキャスプレミアアーカイブにてご覧になれます。